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2014年06月07日

「空気」って?

「空気」と言う作文を書いていた中学3年生の男児が自殺をしてしまいました。
とても残念です。
彼はその作文の中でこんなことを書いています。

『いじめの原因は何かを伝えよう。
それは「空気」だ。
これが目に見えないものだから恐ろしい。
いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気、いじめに参加しないといけない空気。
いじめの加害者、主犯でさえも空気によって動かされているのだ。』

最近の若い人たちは特にこの「空気」に過敏です。
「KY」などと揶揄されるなど重要視されているように思えます。

その「空気」とやらは本当に存在しているのでしょうか?
私はこの「空気」とは「不安から想像される推測」ではないかと感じています。
では、何故多くの人が似たような推測に支配されてしまうのか…
生き物として生存のために自分を守ることは何よりも大切なことではないでしょうか。
自分を守るためにはリスクは回避しなければなりません。
自己防衛のために働くセンサーのようなものが多くの人にあるのでしょう。
それが「空気をよむ」と言うことなのではないでしょうか。

「共感」も「空気をよむ」と似ている所があります。
あたかも相手の感じをそのままに感じることだからです。
ところが、根本が全く違うと思うのです。
「共感」は相手を知りたい、わかりたいということですが、その人を尊重することがベースにあります。
相手を人として尊重し認めるから、より知りたいしわかろうとするのです。
そして、主体的です。
「私」と「あなた」とお互いをきちんと分けて考えるから「共感」が出来るのです。

「空気をよむ」のは動かされるような、させられ感が伴います。
自ら感じてはいても、操作的で呪縛的で主体性は尊重されません。
輪やつながりを意識してはいますが、そこには温かさが感じられません。
その場やその集団でいかにそこからはずれずに多数派でいるのか…
そんなピリピリした、うかがうような卑屈さが感じられてしまいます。

私は「空気をよむ」関係は温かい人間関係作りに役に立てば大賛成です。
この自殺してしまった少年が作文に書いたような恐ろしい、人を陥れるために「空気を読まなければならない」のならば…
「空気をよむ」悪意からどのように逃れたらよいのでしょう。

コミュニケーションには「空気をよむ」ことも含まれます。
言葉以外に過敏になってコミュニケーションが阻害されないようにしたいものです。
この「空気をよむ」ことに支配されずにいられるようにしたいものです。





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プロフィール
Mako Takabayashi
Mako Takabayashi
1960年生まれ。魚座。B型。母乳育児支援、食と暮らしの市民活動、心の相談活動のボランティアなどに関わる。その後、シニア産業カウンセラー、中級教育カウンセラー、不妊カウンセラーの資格を取得。2019年には国家資格の公認心理師を取得。「みんな違って、みんないい」をモットーにカウンセリングルーム「マザリ―カウンセリング」を運営。小・中学校の相談員を10年間担当。小児科では、子育て支援を10年担当。産業保健では、企業でのカウンセラーや研修講師、メンタルヘルス対策支援も行ってきた。現在は、産業保健分野で企業のメンタルヘルス対策支援とスクールカウンセラーとして教育分野で活動中。趣味のジャズシンガーとしても活動中。好きなことは、ドライブや歌を歌うこと、そしてビール♪
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