大人の発達障害のカミングアウト

Mako Takabayashi

2012年10月18日 21:34

私は今日まで大人の発達障害のカミングアウトには消極的でした。

今まで本人告知においても戸惑い、悩みながらカウンセリングで関わってきました。
最近は簡易な自己申告のチェックリストがあったり、カウンセリングでも“かもしれない”ぐらいはつきとめられるようになりました。
もちろん医師ではないので診断は出来ません。
あくまでも「可能性があります」という段階です。

本人の心の準備が出来て、かもかもしれないとお話しされたところで客観的な指標で確かめてみるか否かを選んでもらっています。
結果いかんによっては医療機関を受診するか、専門機関でさらに詳しい検査するのか情報提供をしています。
その時必ず説明するのが、メリットとデメリットです。
大人の発達障害は最近ではポピュラーになりつつありますが、まだまだ社会的認知には及んでいません。
診断が出たからと言って今までの生きづらさがなくなるわけではないのですから…
協力も得にくい状況で診断されても、何のサポートもされないままもあり得るからです。

本人は「ホッとした」とか「自分が悪いからではなかった」とか、安堵される方は多いです。
しかし、そこからまた悩みが始まってしまいます。
「だからどうすればいいの…???」

今日、本人の勇気ある決断とカミングアウトで協力してくれる人に出会えることがありました。
私にしてみれば奇跡に近いです。
本人の困り感について、どんな工夫で助けたらいいのか、実に明快に考えて手立てしていただけました。
最後に私は「ありがとうございました」深々と頭を下げました。
ご本人も安堵されていました。

少しだけ明るい兆しが見えてきたような気がしています。
とは言っても…
まだまだだとはもちろん思っています。

大人の発達障害の理解と支援がもっともっと広まっていくことを本当に心から願っています。
その為にこれからもクライエントさんと一緒に歩み続けたいと思います。



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