治りませんように

Mako Takabayashi

2010年04月12日 02:27

「べてるの家」は北海道の精神障害の人たちの施設です。
そこをルポした本が出版されました。
「治りませんように」という題です。


精神障害では治ることを「完治」とは言わず「寛解」と言ったりすることがあります。
説明するのは難しいのですが…
治るというイメージは病気でなくなることを指すと思います。
ある種の精神障害は治ると言うよりも生活に差しさわりがなくなることを指しています。
だから「治りませんように」というのはとても的を得ていて正しいのです。

病気であることは本人にとっても家族にとっても辛く苦しいものです。
家族に病人を抱えて心からそう思うようになりました。
日常の当たり前の出来事やありきたりの出来事が病気であることで出来なくなったりやれなくなったりするのです。
本人の苦しみはもちろんですが、当事者でないことの苦しみがこれほどだったとは…
本当に体験しなければ人は分からないものです。

せめて私自身が健康でやっていければ…と思いながらも…
誰よりも先にこの苦しみから逃れたいとも思ってしまうコトもあります。
だけど…
親だから、家族だから、事実を受け止め、現実的に対処していかなければならないのです。
人の気持ちは揺れ動き、「何とかなる」と思いながらも「どうしたらいいんだろう」と迷い悩むものですね。

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