2001年~旧浜北市内の中学校で心の教室相談員をしていた時に書いていたコラムです。
生徒たちに伝えたい心のお話しを毎月の通信「おーぷんはあと」に載せていました。
内容はその時に気になっていることをテーマにしていました。
例えば、面接のなかで気になったこととか、先生たちとの話題の中で気になったこととか…
頭の中で特定の何人かを浮かべて、その子たちの心に少しでも届いて欲しいと願って書いていました。
2001年10月号 思春期について
中学生時代は思春期と呼ばれる頃です。自分はどんな人なのかをじっくり考えるようになったり、男女異なる体の発育が現れる時期です。例えば、性格や体の変化など人と比べてみたりします。心の中でじっくりと繰り返し考える人もいれば、日記を書いたりして文字にして考える人、他の人に話して心の中を整理しながら考える人などそれぞれ考え方は違っています。そうして自分に自信をつけたり、コンプレックス(劣等感)を持ったりするようになります。このようなことは思春期には誰にでもあることです。心も体と同じようにいろいろな過程を経て成長していくのです。
今はまだ、体も心もはっきりとしない自分に戸惑ったり、迷ったり、悩んだりの繰り返しだと思います。心の不調が体の不調となって現れることもしばしばあります。そんな時は、心が疲れていたり、無理をしていると無意識が信号を発しているのです。無意識とは、心の一部ですが意志ではコントロールできない、普段は認識できない部分です。例えば、言い間違いなどは無意識の働きかけによって起こるといわれています。体の不調が長く続くような時には病院で心の診察をしてもらう必要があるかもしれませんね。
思春期は誰しもが通る道です。少なからず悩みをかかえながら過ごす時期でもあります。思春期が過ぎ去る頃には「自分らしい自分」に少しだけ出会えることになるでしょう。
2001年11月号 自分らしい自分 ジョハリの窓について
「自分らしい自分」と言われてもどんなことかわかりずらいですね。「自分らしい」ということは、言葉を変えると「どの位自分のことを知っているか」ということになるでしょう。そこで自分を知る上で「心の窓」を使って考えてみましょう。
①自分は知っている
他人も知っている②自分は知らない
他人は知っている③自分は知っている
他人は知らない④自分は知らない
他人も知らない
①は、「動物が好き」とか「音楽が好き」とか、自分も他人も分かっている部分です。もちろん、良い面ばかりではなく嫌な面もあります。
②は、「実は家にいるよりも出かけるほうが好きだ」など、自分から話さなければ他人には分からないことです。内緒にしたり、隠したり、うそをついているわけではないですね。自分だけが知っていることはけっこうあるものです。
③は、癖やしぐさなど自分では気がついていないけれど、他人には良く知られていることです。人から言われて気がつくと、驚いたり、嫌な気持ちになったりします。自分のことは自分が良く分かっているように思うのですが、案外そうではないのですね。
④は、心の奥深いところにあるので、自分も他人も知らない部分です。自分らしさをつくる源はここにあると言われています。成長するごとに少しずつ自分をつくる気持ちが大切にしまわれていきます。
心の窓の大きさは少しずつ違っているものです。図のようにきちんと四等分されていることはありません。自分らしくあることは①の窓が広がっていく状態になっていくことです。これからの成長とたくさんの経験、そして人との関わりの中で少しずつ自分を知っていけるといいですね。
2001年12月号 自分は好きですか?
自分のことが好きですか?嫌いですか?私は、今の自分がまぁまぁ好きです。嫌なところもいくつかありますが、そこも含めて私なんだと考えるようにしています。この「自分が好き」という気持ちはとても大切です。自分が好きだと自分を大切にできたり、自分は正しいと信じられたり、自分は大丈夫と満足できたりします。そして、自分に自信が持てるようになっていきます。自分に自信が持てると、相手を大切にする気持ちが生まれてきます。相手を思う気持ちはあなたの心の中にいつでもありますが、自分が好きという心の支えがあると伝えやすくなります。コミュニケーションは傷つくことの連続でもあります。この心の支えが自分を守るために必要になるのです。
自分に自信を持つことをあなたはどのように思いますか?なかなか難しいことだと感じるのでしょうか…。誰かに認められなければならないわけではありません。自分で自分を応援し、認めてあげればいいのです。「自分をほめてあげたい」あるスポーツ選手の言葉です。この気持ちが自信につながっていくと私は考えています。生きている主人公はあなた自身です。
さあ、思いつくだけ自分のいいところをあげてみましょう。次に嫌なところもです。それぞれいくつありましたか?もし、嫌なところばかりが浮かんできてしまうようだったら、これからはいいところをできるだけ探してみましょう。そして、どうしたらそれが生かせるのかを考えてみましょう。「自分が好き」と言えるあなたであって欲しいと私は願っています。
すでに10年近くたってその頃の生徒達は20代を生きています。
気にかかっていた生徒達が今どんなふうに生きているのだろう…
と時々今も気にかかったりしています。