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2012年12月01日

うつ病の治療

日本うつ病学会は7月26日に気分障害(双極性障害・うつ病)の治療ガイドラインをホームページに公開しました。

「うつ病がなかなか良くならない」と言う訴えはカウンセリングでたびたび伺います。
そのたびに感じるのは…「その治療で有効なんだろうか?」という疑問です。
医師の診察は長くても15分位、薬は出されるたびに増えていく…
患者として医師の対応に不安にもなりますし、不信感も抱くと思います。
実際、病院をめぐる患者さんは多く、転院するたびに病名や薬が変わっていきます。
私は、信頼出来る医師に出会う為に転院が悪いとは思いません。
また、転院したり薬の見直しをするとみるみる改善していくクライエントさんにも出会います。
そこで、この治療ガイドラインが参考になるのではないかと思います。
医師向けの専門的な内容ですが、患者さんやその家族にも役立つ内容だと思いました。

このガイドラインは、軽症の治療では薬を優先せず、面接で患者を支え、回復に導くことを基本とするなど、薬物偏重のうつ病治療を見直す内容になっています。
抑うつ状態を招くうつ病以外の病気や薬剤を詳しく記し、安易な診断を戒めています。
うつ病の患者数はこの10年で急増し、厚生労働省の推計では100万人を超えているとのことです。
背景には、過剰診断や安易な薬物治療の影響があると指摘されてきていました。


診察では、既往症や家族歴を欠かさず聞き取り、血液や尿の検査、必要に応じた画像検査を医師に求めています。
また、抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬、抗うつ薬、ステロイドなど、薬で抑うつなどの気分障害が引き起こされることを指摘しています。
広汎性発達障害が背景にあると、専門的なカウンセリングなどが必要になるため、成育歴の聞き取りも求めています。

軽症うつ病の薬物治療では、「安易な薬物療法は問題解決に向けた患者自身の能動性を失わせるばかりでなく、無用な有害事象(副作用など)に患者をさらし、本来の症状よりも治療そのものが就労や就学、家事などにおいて重荷になることすらあり得る」と記載されています。
最も有効なのは、患者の話をよく聞き、理解を示しながら回復に導く支持的精神療法であり、その前提として、患者との信頼関係の構築が欠かせないと強調しています。

中等症・重症では、衝動性の高まりなどの副作用に注意しながら、抗うつ薬を1種類使うことを基本としています。
ベンゾジアゼピン系薬剤は、長期に使うと意識障害や衝動性の高まり、薬物依存などを招くため、漫然とした使用は避けるべきだと警告もしています。

以下、ダウンロードしてご利用ください。
ただし60ページ以上ありますので、一度目を通してからの方が良いと思います。

「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅰ.双極性障害」(PDF)
「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.大うつ病性障害」(PDF)












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プロフィール
Mako Takabayashi
Mako Takabayashi
1960年生まれ。魚座。B型。母乳育児支援、食と暮らしの市民活動、心の相談活動のボランティアなどに関わる。その後、シニア産業カウンセラー、中級教育カウンセラー、不妊カウンセラーの資格を取得。2019年には国家資格の公認心理師を取得。「みんな違って、みんないい」をモットーにカウンセリングルーム「マザリ―カウンセリング」を運営。小・中学校の相談員を10年間担当。小児科では、子育て支援を10年担当。産業保健では、企業でのカウンセラーや研修講師、メンタルヘルス対策支援も行ってきた。現在は、産業保健分野で企業のメンタルヘルス対策支援とスクールカウンセラーとして教育分野で活動中。趣味のジャズシンガーとしても活動中。好きなことは、ドライブや歌を歌うこと、そしてビール♪
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